トヨタ物語

トヨタ物語
「ジャスト・イン・タイム」「アンドン」「カイゼン」「かんばん方式」。 世界が知りたがるトヨタ生産方式(TPS)とは何か。 同じような質の自動車用鋼板を使い、部品も大差ない。工作機械の能力だってそれほどの違いは無い。ところができあがってきた自動車の性能はまったく違うものになっている。値段にも差が出る。では製品の違いを生むものは何かといえば、それは生産方式だ。 トヨタの場合は独自の生産方式(TPS)を開発し、その方式にのっとって車を作っている。TPSを通じて「カイゼン」を行い、結果として他社より生産性を上げている。生産性が上がった結果、製造原価が下がる。そのため製品の販売価格も下げることが可能になる。価格がさがらないまでも、同じ価格帯の自動車ならばトヨタ製は他社よりもほんの少し性能がいいか、あるいは何かしら付加価値がある。人は同じ質の商品なら少しでも安いほうを買う。トヨタ製の車が売れるのは他社製と比較してお得だからだろう。 ではTPSとは一体何をするのか。「ジャスト・イン・タイム」「アンドン」「カイゼン」「かんばん」――TPSを解説する上で必ず出てくる言葉だが、真実TPSが理解されているとは言いがたい。本書では7年間の取材によりTPSの全貌を明らかにする。